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六甲台1キャンパス ( 主な部局:法学部、経済学部、経営学部、 法学研究科、経済学研究科、経営学研究科、 国際協力研究科 )
六甲台2キャンパス ( 主な部局:事務局、文学部、理学部、農学部、 工学部、人文学研究科、理学研究科、工学研究科、 農学研究科 )
鶴甲1キャンパス ( 主な部局:国際文化学部、国際文化学研究科 ) 鶴甲2キャンパス ( 主な部局:発達科学部、人間発達環境学研究科 )
環境報告書の作成に当たって
この環境報告書は、本学の主要なキャンパスにおける2007年4月から2008年3月までの1年間の環境 に関する活動の成果を取りまとめ、「神戸大学環境報告書2008年版」として公表するものです。
この「神戸大学環境報告書2008年版」は以下により作成しています。
参考にしたガイドライン
「環境報告ガイドライン ( 2007年版 ) 」 ( 平成19年6月環境省発行 ) 「環境報告書の記載事項等の手引き ( 第2版 ) 」 ( 平成19年11月環境省発行 )
調査対象範囲 六甲台地区
楠地区 ( 主な部局:医学部、医学系研究科、附属病院 ) 深江地区 ( 主な部局:海事科学部、海事科学研究科 ) 名谷地区 ( 主な部局:医学部保健学科 )
事業年度
平成19年度 ( 2007年4月∼2008年3月 )
発行日
平成20年9月30日
次回発行予定日 平成21年9月30日
作成部署
環境報告書作成ワーキンググループ ( 座長:太田和施設環境担当理事 )
連絡先
神戸大学施設部施設企画課総務係
〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1 TEL :078-803-5173
E-mail :[email protected]
URL
http://www.kobe-u.ac.jp/report/environmental/2008/
表紙の説明
神戸大学長 野上 智行 温暖化や異常気象といった地球規模の問題から、
都市そして街路の身近な問題に至るまで環境とのか かわりは多様化し、それとともに環境への関心はま すます深くなってきています。環境問題に積極的に 参画していくことは、産官学共同事業体としての大 学の責務であり、神戸大学では、平成18年に「環 境憲章」を制定し、3つの基本方針「環境意識の高 い人材の育成と支援」「地球環境を維持し創造する ための研究の促進」「率先垂範としての環境保全活 動の推進」を宣言しました。
また、本学では、本年を「神戸大学環境年 2008」と位置づけ、様々な企画を展開して来たと ころです。教育研究活動と地域との連携を通して、 神戸大学が地域社会そして国際社会に更なる貢献を していく。「神戸大学環境年2008」は、そのメッ セージであります。
本年5月には、地元神戸において G8 環境大臣会合が開催され、これに伴った多彩な関連行 事が実施されました。その一例として、環境に関する課題をもって学生が交流する場を継続的 に設定することを目的に開催された「持続可能な社会のための環境学生会議」では、関西10大 学・高専の学生等約300人が参加し、環境問題の現状や問題解決に向けた新しい研究・技術に ついて参加者の一層の理解を深め合いました。
このように本年は、本学にとって、また神戸市・兵庫県にとって、環境とかかわる画期をなす記念すべ き年になりました。今後はこの問題について、本学も、一つの事業所としての責任ある対応が求められて くるものと思います。CO2 削減という目標は非常に重要であり、また大きな課題でもあるため、中長期 的な視野に立って行政とも連携しながら取り組んでいく必要があると考えます。このため、神戸大学で は、今後、環境対策の基本方針を策定したり、点検評価をするための環境マネージメントを確実に実施す るシステムを学内に構築する予定としています。
さて、本学の今年の具体的環境対策では、昨年に引き続き、省エネ問題についてできることから確実に 実施することとしています。特に、紙資源の削減については、『神戸大学オフィスペーパーリサイクル』 として、使用済みコピー用紙などを溶解しトイレットペーパーへと再生させる活動を実施しています。ま た、教育・研究環境再生整備事業としては、平成18年度から順次、神戸大学第2次施設緊急整備5か年計 画に基づいた既存建物の再生整備を行ってきていますが、その再生整備の中で、古くなった設備機器の省 エネタイプへの更新を進めています。今後の施設整備においては、環境配慮契約法への対応として、建物 の設計段階より環境へ配慮した設計が求められていることから、特にエネルギー使用量の多い病院地区等 では、ESCO 事業の導入について、鋭意検討を進めているところです。
なお、本年、大学が行っている遺伝子組換え実験に関して法令違反の不祥事が明らかになり、大学外の 環境に負荷を与えてしまったことについて、神戸市民や当局関係者等多方面の方々に、深くお詫び申し上 げます。今後は二度とこうしたことが起きないよう管理システムを強化し、且つ実験者のモラル向上に全 学的に取り組んで行く所存です。これらの取り組みについて点検と改善を繰り返し、安全で安心な実験研 究環境を未来へ維持させることを約束いたします。
基本理念
神戸大学は、世界最高水準の研究教育拠点として、大学における全ての活動を通じて現代の最重要課題 である地球環境の保全と持続可能な社会の創造に全力で取り組みます。
私たちは、山と海に囲まれた地域環境を活かして環境意識の高い人材を育成するとともに、国際都市神 戸から世界へ向けた学術的な情報発信を常に推進し、自らも環境保全に率先垂範することを通して、持続 可能な社会という人類共通の目標を実現する道を築いていくことを約束します。
基本方針
1. 環境意識の高い人材の育成と支援
大学の最大の使命は人材の育成にあります。私たちは、地球環境や地域環境への影響を常に意識して行動する人材を養成するために教育プ ログラムを絶えず改善し、人文・社会・自然科学の知見を統合して、環境に対して深い理解をも つ人間性豊かな人材を国際社会や地域社会と連携して育成することに努めます。
2. 地球環境を維持し創造するための研究の促進
地球環境を保全し、持続可能な社会を創造するためには、さまざまな課題を克服する研究成果 の蓄積が必要です。
私たちは、環境問題に関する個別分野の研究と関連分野を統合した学際的な研究の双方を推進 し、その成果を世界と地域に向けて発信することに努めます。
また、このような研究成果を国際社会と地域社会の発展に具体的に結びつける活動を支援しま す。
3. 率先垂範としての環境保全活動の推進
地球環境を保全するためには、ひとりひとりの行動が大切です。
私たちは、日々の活動を通じて、環境を守り、エネルギーや資源を有効に活用し、有害物質の 管理を徹底することによって、環境に十分配慮したキャンパスライフを率先します。
さらに、環境保全活動の情報を開示し、関係者とのコミュニケーションを通じて、継続的な改 善に努めます。
取り組みに関わる体制
本学における環境保全のための組織として、学長の下に施設マネジメント委員会、環境管理センターを 設置し各部局と連携しながら具体的な取組みを行っています。
釧路湿原 PF 製造機 ( 京都市 )
環境に関する教育
環境問題を経済学で考える
経済学研究科 准教授 竹内 憲司
環境問題って、「理系」学部の研究テーマじゃないの? と思われる方も多いことでしょう。しかし、 環境問題は生産や消費といった経済活動によって生じる現象ですので、経済学とは深い関係があります。 私の授業「環境経済論」では、ごみ問題と地球温暖化問題を例に取りあげて、環境問題について経済学の 見方でとらえると、どんなことが言えるのかについて、紹介しています。
「環境問題の解決には、私たちひとりひとりの心がけが大事です」という言葉をよく耳にします。こう した言葉は、人々が道徳に従って行動することを何となく期待していますが、現実の世界に住む生身の人 間たちは、そんなに立派な人ばかりではないようです。楽をしたい、損はしたくない。たいていの人はそ う考えているでしょう。地球では、そういうふつうの人たちが、ごみを捨て、二酸化炭素を排出し、日々 を暮らしています。
そうしたふつうの人や、ふつうの人々が働いている企業に、環境を汚さないようにしてもらうにはどう したら良いでしょうか。その重要なキーワードとなるのが、インセンティブ ( 経済的動機付け ) です。環 境を汚すよりも汚さない方が得になるような仕組みを作れば、道徳心の向上に頼ることなく、人々や企業 の行動を自然に変えることができるかもしれません。環境経済学は、人々の利己心や企業の利潤動機を非 難するのではなく、それをうまく活用する仕組みを考えます。
環境に関する教育
「自然環境総合演習」の15年
人間発達環境学研究科 教授 中川 和道
発達科学部自然環境論コースの2年生の科目に自然環境総合演習がある。つくば地区の研究所を訪問見 学する研修科目である。本稿では15年にわたって続いているこの科目を紹介する。
現在この科目は1単位の選択科目である。4月にイントロ ( 90分 ) を行って参加者を募集し、5月、6 月、7月に一度ずつ自分の下調べテーマを発表してもらう機会を設け ( 毎回90分 ) たのち、9月につくば 旅行を行う。費用約2万円は学生の個人負担である。主な見学箇所は国立環境研究所、宇宙航空技術研究 機構筑波宇宙センター、産業技術総合研究所などである。これらの研究所にはあらかじめ見学申込みを行 い、見学する研究部門と内容を打合わせておく。例年、2年生約15名に1年生、3年生や4年生、時には 大学院生も含めて大体20名程度の規模で実施している。
発達科学部に自然環境論コースが発足した当時、環境科学とは何をする学問かがよく分かっていなかっ た。学生は大学に入学してまず基礎科学の勉強を集中的に行うというトレーニングを受けるのだが、自分 がやっている勉強が将来とどうつながり得るのかが分かりにくい。そこで、学生は入学の目的を見失って しまうとか、将来の方向を見定めようとする指向が鈍ってしまう傾向がある。それならと環境科学研究の 最前線に直に接する機会をつくろうと思い立ったのである。
この科目は最初は単位なしの課外活動として始まった。発達科学部自然環境論コースの第1期生から数 えて300人近くの学生が参加してきたこの科目に1単位が与えられることになったのは3年前のカリキュ ラム見直しの機会を通じてであった。
この科目を通じて国立環境研究所で研究してみたいという希望を抱き、のちに院生として環境研に 行ったり、宇宙科学に興味をもって大学院に進む学生もあらわれた。これらの直接の成果以外にも研究者 の話を直接聞いたり質問するという経験がいろいろな場面の基礎になっていると思われる。
2年生ゼミでの海洋観測 2年生ゼミでの観測データ解析
環境に関する教育
深江キャンパス内の港における海洋・気象観測実習
自然科学系先端融合研究環 内海域環境教育研究センター 准教授 林 美鶴
深江キャンパスは大学院海事科学研究科/海事科学部の本拠地であり、国立大学で唯一、港を持つキャ ンパスです。ここには、練習船「深江丸」を始め多くの船舶が係留されており、また海事・海洋関連の実 習やクラブ活動などが活発に行われています。
この、キャンパス内に港があるという利点を生かして、「海洋観測」をテーマにしたゼミを開講してい ます。これは海事科学部2年生通年の必修科目として開講している「総合科目2」で、教員が掲げたテー マに沿って行う少人数制のゼミです。「海洋観測」ゼミでは深江キャンパスの港で、海水の流れ、水温や 塩分などの物理項目、溶存酸素濃度や栄養塩濃度などの化学項目、さらに植物プランクトン濃度や濁度な どの生物項目の観測を、一般気象要素と共に毎月1回実施しています。そして観測データを一時処理して 各項目の鉛直分布図や水平分布図、また季節変動図を描き、これを元に港の環境について考察を行いま す。つまりゼミ生は、海洋環境研究に必要な観測∼データ解析∼考察という一連の基本的なプロセスを、 大学2年生で体験・習得できるのです。ゼミ開始時点で、ゼミ生は海洋学や気象学についての知識はほと んどありません。また観測には様々な専門機器を用いますが、どれも初めて使う観測機器です。さらに データ処理に用いるコンピュータ・ソフトウェアーの使い方も知らない所から始まります。しかし1年間 繰り返し作業を行い、併せて海洋学の理論的な勉強を行うことで、海洋環境研究の基礎を身につけていき ます。ゼミの様子は、毎週交替でブログで紹介していますので、是非ご覧下さい(
http://blog.canpan.info/airsea-obs/ )。
この他にも、3年生の実験で「気象・海象観測」を実施しています。また学外教育にも港を利用してい ます。例えば、大阪府立千里高等学校と共にサイエンス・パートナーシップ・プログラムとして毎年実施 している2時間程度の模擬ゼミでは、水温と塩分の鉛直分布測定を行い、これを元に密度を計算して、こ れらを作図すると共に海水の安定度について考察を行う、という内容を実施しています。理科教育に重点 を置く高校にとって、科学への興味を促進するいい機会として好評を得ています。
学生による丹波黒大豆 ( 篠山市 ) の 農家支援
学生による里山保全 ( 竹林 ) の実践
環境に関する教育
農学部共通科目「緑の保全」について
農学研究科 副研究科長 教授 大野 隆
神戸大学農学部は、私達の「生命と生活」を支える基幹産業である農業及び食品等バイオ関連産業に科 学的根拠を与える伝統的な学問領域としての農学の振興を使命としてきた。食料・食品生産技術の確立 は、農学のもつ不動の使命である。一方、近年、農学の範疇は急速に変化し拡大している。環境保全と両 立した持続可能な食料生産基盤の確立、食料生産と環境保全の基礎素材である生物資源の有効活用、及び 安全安心な食を通じた健康増進に貢献できる総合・学際科学と革新技術の振興が、21世紀の農学に求め られている。
以上の基本認識に基づき、農学部では「農場から食卓まで ( From Farm to Table ) 」をキャッチフ レーズに掲げ、「食料」、「環境」、「健康生命」をキーワードとし、これらに関わる諸問題を専門的か つ学際的・総合的な視点で理解し解決する能力の涵養を目指したカリキュラムを編成し、その中で農学部 共通科目「食の倫理」及び「緑の保全」を農学部生に必須の倫理観を培うための「導入教育科目 ( 必修 )」として位置づけている。
「緑の保全」の目的は、人口増加と農・工・商業を含む人間活動の拡大が、環境汚染、資源・エネル ギーの枯渇、生態系の劣悪化、オゾン層の破壊、酸性雨、地球温暖化などの地球環境問題を引き起こして いる現状を理解し、持続可能な社会の構築のための倫理を学び、さらに、人類が地球・自然と共存するた めの「新しい規範」を考えることである。
本講義は、環境に関する広範な研究を行っている多くの農学研究科・農学部教員が交代で講義するオム ニバス形式の授業科目であり、2007年度は、地球環境の現状、土壌環境保全、森林環境保全、水環境保 全、農地環境保全 ( 昆虫、農薬 ) 、栽培環境保全 ( 病気、雑草 ) 、農業農村の多面的機能、植物の多様性 と保全、環境修復、バイオマス、里山における生物多様性と保全、遺伝資源は誰のもの、という講義内容 であった。
毎年後期に開講され、農学部生のみならず他学部生を交えて200名に及ぶ受講生で賑わっている。特 に、社会科学系の学部生に好評である。2007年度は経済学部生9名、経営学部生9名、発達科学部生3名 などを含む186名が受講した。
写真1:菌体触媒 写真2:菌体触媒調製のためのリアクター
環境に関する研究
環境に優しいバイオディーゼル燃料生産に関する研究
自然科学系先端融合研究環長 福田 秀樹
現在、化石燃料の枯渇や温暖化など、地球規模の様々な問題の早急な解決が求められている。世界中で 消費されているエネルギーの多くは石油などの化石燃料、つまり再生できない、枯渇してしまう資源に由 来している。そのため、近年それらに変わる新しいエネルギー資源に注目が集まっており、バイオディー ゼル燃料 ( BDF ) もそのひとつである。BDF は、バイオマスのひとつである植物油とアルコールからで きる、二酸化炭素の量を増やさない燃料であり、化石ディーゼル燃料の代替品として従来のディーゼルエ ンジンにそのまま使用できる。またその排気ガスには大気汚染の原因となる SOx などがほとんど含まれ ておらず、環境にやさしいクリーンなエネルギーとしての利用が期待されている。
従来のディーゼル燃料の合成法である化学触媒法では、水酸化ナトリウムのような強いアルカリを触媒 として使用するため、原料中の不純物を濾過するプロセスが必要である。また、化学触媒法でのディーゼ ル燃料合成には多大なエネルギーが必用であり、生産工程で生じる排水の処理も問題となっている。そこ で近年、そのような問題点を解決できるディーゼル燃料の生産法として酵素触媒法が注目されている。し かし、酵素の調製に多大なコストがかかるという問題点があり、実用化には未だ至っていない。
環境に関する研究
アクションリサーチと ESD
経済学研究科 教授 石川 雅紀
通常の科学的方法論では、観察対象に対して、第三者的な立場から客観的に観察します。出来うる限 り、観察対象に影響を与えないよう、干渉しないように注意します。人間や社会を対象とする人文社会科 学では非常に重要な点です。一方で、アクションリサーチでは、対象に入り込んで観察します。もちろ ん、科学者が自らの学説や信念を観察対象者に押しつけたり、説得したりするという意味ではありませ ん。観察対象者と対等の立場で一定の関わりを持ち、その行為を通じて対象者の視点・考え方を理解する という意味です。
私は、参加型手法に興味を持ち研究しています。過去に、名古屋の循環型社会像と移行するパスを選択 するプロジェクトに参加しました。循環型社会といっても、市民が今以上に徹底的に分別するような社会 もありますし、反対に排出時にはまとめて排出して、分別プラントの機械システムで徹底的に分別する社 会も考えられます。どちらも徹底的にやれば循環型社会を実現できるでしょう。科学的にどちらが良いと 言えるわけではなく、これは選択の問題です。私の役割は、市民がよく理解した上で選択するためにこれ らの選択肢を判りやすく描くことでした。
無数に考えられる選択肢の中で、どれを選んでシナリオとして示すか、シナリオでは何に重点を置く か、大変悩みました。シナリオの作成過程と、それに基づいた市民の議論を通じて、気づいたことがあり ました。市民がこの問題を視る視点と私が専門家としてこの問題を見る視点が全く違っていたのです。私 は専門家として、名古屋という社会とその構成員を客観的に眺める視点からシナリオを考えました。それ ぞれのシナリオで資源消費量、廃棄物排出量、環境負荷物質の排出量などのどれが重要なのだろうか、市 民はどれが重要と考えているのだろうかと悩んでいたのです。
実際には、市民はそのような定量的なフローにはあまり興味を示しませんでした。市民が関心を持ち議 論したのは、それぞれのシナリオに描かれた社会の中で構成員が衡平な役割分担となっているか、自分の 役割は何かといった事でした。これは社会の中に視点をおいた見方です。気が付いてみれば当然のことで すが、専門家として訓練を受ければ受けるほどこのことに気が付かなくなります。
発達科学部、文学部、経済学部は連携してアクションリサーチによる ESD カリキュラムの開発に取り 組んでいます。これは、学生をまず大学の外のフィールドに出し、そこで実社会の課題に取り組むこと と、大学での座学を循環的に繰り返すことにより問題を解決しようとする意欲と能力を兼ね備え、持続可 能な社会に向かうリーダーとなれるような教育をしようとするものです。テーマは、多種多様なものがあ りますから、個々の説明は省きます。
ESD:Education for Sustainable Development 「持続可能な開発のための教育」
加速器分析試料容器 PIXE 分析スペクトル例
環境に関する研究
環境関連物質分析への静電加速器 ( 5SDH-2 ) 応用の取り組み
海事科学研究科 教授 北村 晃
環境科学、特に海洋関連環境科学においては、物質の化学的分析が中心的な研究手段の一つですが、従 来行われてきた手法とは異なった分析手法を用いることができれば、新たな側面から問題を観察・評価 し、斬新な解決法を提示する可能性が生じ得るものと考えられます。
元素の定量分析法としては種々の方法がありますが、加速器を用いた分析法は、他の手法がもち得ない 非常に大きい長所をもっています。それは、[1] 試料の予備的な化学的調整が不要であり、[2] 非破壊的 に、[3] 深さ方向の分布を分析できることです。このような特徴を備えた加速器分析手法を用いることに よって、従来とは異なる化学的、物理的条件の下での微量元素の定量が可能になります。
加速器分析法には、Rutherford 後方散乱分光法 ( RBS ) 、反跳粒子分析法 ( ERDA ) 、核反応分析法 ( NRA ) 、そして粒子励起X線分析法 ( PIXE ) があり、分析対象に応じて最適の入射粒子種とエナジー の組み合わせを選択して行われます。中でも NRA は特定の元素の深さ方向密度分布を選択的に測定でき るという長所をもっており、PIXE 分析法は極めて多くの元素を一度に定量分析することができるので、 極めて広い応用分野を期待することができます。
私たちは本学唯一の加速器 (
http://www.research.kobe-u.ac.jp/fmsc-pbe/www/5sdh2/5sdh2.html ) を多くの分野で役立てて頂こうと、学内外の多くの人に PR し、加速 器分析を実施しています。今までに行ってきたのは、( 1 ) 船底防汚剤トリブチルスズ ( TBT ) の PIXE 分析【資料提供:三村治夫教授】、( 2 ) 海底泥土中のボロン定量 ( 11B( p,3α )-NRA ) 【資料提供:岡 村秀雄教授】、( 3 ) 含有元素の違いによるニンニクの産地分析 ( PIXE と7Li( p,2α )- NRA ) 【資料提 供:福士恵一教授、独立行政法人農林水産消費技術センター神戸センター研究員の博士後期課程研究とし て開始】、( 4 ) クラゲの分析【資料提供:福士恵一教授】、( 5 ) 植物の葉の PIXE 分析【資料提供:理 学部三村徹郎教授】、( 6 ) 高純度炭素中不純物Bの定量 ( 11B( p,3α )-NRA ) 、などです。今後もさら に多くの分野で地域貢献できることを念願しています。
環境に関する研究
ヒートアイランド化に伴う熱帯水草、
樹木等の日本の都市への定着
農学研究科 熱帯有用植物学研究室 教授 伊藤 一幸
近年、地球温暖化や園芸やアクアリウムなど趣味の多様化によって熱帯性の外来水草が温帯の都市部に まで侵入してきています。代表的なものにサトイモ科の浮草であるボタンウキクサがあります。環境省は ボタンウキクサが急速に繁茂し、水生生物に悪影響を及ぼすおそれがあるとして警戒しており、特定外来 生物に指定して監視しています。
私たちは熱帯原産のボタンウキクサが大繁殖している大阪府の淀川城北ワンド内でボタンウキクサの種 皮のついた実生をみつけました ( 2007年7月31日 ) 。また、採集した株から得られた種子の発芽率が約 80%と高かったこと、城北ワンドから持ち帰った底質から、埋土種子由来の実生が確認できたことなど により、ボタンウキクサは淀川の水温で生活環を全うしていることを知りました。さらにその安定した生 育地が工場の温排水のため、冬季でも青々として水温が15℃以上もある支流に起源していることも分 かってきました。
熱帯産の水草にはこの他にも、オオサンショウモ、ナガエツルノゲイトウ、ブラジルチドメグサ、オオ アカウキクサの仲間など気をつけねばならないものがたくさんあります。
一方、陸上に目を移すとランタナ ( シチヘンゲ ) 、シュロ、トウネズミモチなど亜熱帯や熱 帯からの木本性侵入種も多数あります。始めは珍しがって植えたものがいつのまにか手に負え なくなって都市公園、緑地、都市の社寺林、放棄地などで問題化しています。もちろん、侵入 種には農耕地のイチビ、河川敷のアレチウリ、高速道路の法面のタカサゴユリなど都市部に 限ったことではありません。生物多様性維持として、絶滅が危惧されるオミナエシやキキョウ など在来種の保全と侵入種の駆除は一体的な環境問題です。個人の趣味の問題ではありませ ん。資源生命科学コース応用植物学講座ではこれら侵入種の日本の都市における越冬条件と温 排水や都市のヒートアイランド化の関係を明らかにし、侵入防止を考えています。
南あわじシカ被害調査 ビオトープ ( 生き物採取 )
環境に関する地域貢献
神戸大学サイエンスショップ
∼大学による市民の環境活動への支援∼
神戸大学サイエンスショップ 研究教育支援員 橋口 典子
2007年4月、神戸大学発達科学部に、地域社会の市民および神戸大学学生を対象とした「神戸大学サ イエンスショップ」が誕生しました。サイエンスショップでは、地域社会の科学に関わる課題に対して、 大学の専門知識を生かして参加型の調査・研究や助言等を行い、その課題の解明や解決の支援を行いま す。これに先駆けて、2005年より専門家と非専門家がお茶を片手に科学の話題について語り合う「サイ エンスカフェ」を実施してきましたが ( 2008年7月現在までに46回開催 ) 、サイエンスショップでは、 市民が活動に継続的に関わることにより、さらに深いレベルでの科学技術リテラシーの向上や、科学技術 的課題に対するエンパワーメント、市民と専門家の新しい関係の創成をめざしています。また、学生に対 しては、こうした調査・研究への参画や、学生の自主的課題研究への支援を通じて、新しい時代に求めら れる資質 ( 問題発見・解決能力、プロジェクト・マネージメント能力、コミュニケーション能力等 ) を高 めてゆきます。
初年度である2007年度は、いくつかのプロジェクトをパイロット研究的に立ち上げ、現在も続けてい ます。下記に環境の関わるものをいくつかご紹介します。
1. 地域環境課題に関する取組支援 ( 南あわじ市 ) :シカの個体数、生息地域の拡大に伴う農作物
や近隣山地における食害に対応・軽減することを目的に、地域住民と専門家が協働して被害調査や勉 強会を実施。解決方法を模索しています。
2. IPCC レポートを根掘り葉掘り読む会:気候変動 ( 地球温暖化 ) に関する知見を取りまとめた同
レポートを、市民と研究者が共に精読する勉強会を月1∼2回のペースで実施しています。様々な世 代の様々なバックグラウンドの人で取組んでいます。
3. ビオトープ作り、神戸市学校ビオトープネットワーク:ビオトープ作りを通じた生き物調査
や、学校ビオトープの状況調査を行っています。
4. 身近な生き物調査:市民調査員を募り、自宅や職場近くで見られる生き物について調査します。そ
環境に関する地域貢献
環境貢献とごみじゃぱん
経済学部 経済学科 4年生 濱口 雅史
NPO 法人ごみじゃぱんでは、現在「減装 ( へらそう ) 実験2008」という社会実験を神戸市東灘区で メーカー7社、スーパー4店舗の協賛の下で実施しています。今回の実験は昨年行った「六甲アイランド 簡易包装プロジェクト」に続く第二回目です。日本のごみ排出量は5273万トン、そのうち容器包装ごみ の占める割合は約60パーセント。地球温暖化、環境保全が叫ばれる今日、ごみ発生量の抑制は社会が抱 える課題の1つです。社会を何とかしたい。そこで、お買い物の際に減装商品( 包装が減量化された商 品 ) を生活者の方々に選んでいただく事で、ごみ発生量抑制を目指す。生活者・企業・社会を巻き込ん だ世界的にも類を見ない社会実験が、ごみじゃぱん学生メンバーの熱い想いから、スタートしました。
実験期間は5月15日∼8月15日までの3ヶ月間です。「なくしました ( 外箱なし等 ) 」「へらしました ( プラスチックフィルム削減等 ) 」「かえました ( つめかえ等 ) 」の3基準で食品、トイレタリー商品を 選定し、スーパーの陳列棚に減装マークをつけて推奨商品としました。また、生活者の方々に減装商品を 認知し、購入していただくために「減装見本市」「減装祭」といったイベントも実施しました。
6月13・14日に行った調査 ( 対象者:スーパー来店客400人 ) の結果、「減装ショッピング・マーク の認知度67.3%」「4人に1人が購入経験あり」「購入者のうち、包装ごみを減らした商品を意識して購 入したのは約3割。今後買いたいは84.0%」「減装ショッピングを気持ちよくできる、9割」「包装のよ り少ない商品を販売するメーカー・店舗への印象がよくなる、8割以上」と好感触が得られました。
実際のフィールドにでて、調査やお店づくりを行うことで、環境問題と直接かかわる機会があり、楽し み、苦しみながらも充実した毎日をすごしています。
今後も、ごみじゃぱんでは、ごみの問題を「捨てる時」だけではなく「買う時」から考えた「減装 ショッピング」を広めることで、無理なくごみを減らす社会作りを目指していきます。実験終了後の調 査、その結果が楽しみです。
国連大学ファン・ヒンケル前学長による
特別講演「環境を踏まえ持続可能な社会の発展をめざ す教育の意義」を聞く参加者( 神戸大学百年記念館六甲 ホール )
「持続可能な社会のための環境学生会議」第1回でのポ スターセッションで互いの発表について意見を交換す る参加者( 神戸大学百年記念館ロビー )
トピックス
神戸大学環境年2008
地域連携担当 理事 堀尾 尚志
温暖化や異常気象といった地球規模の問題から、都市そして街路といった身近な問題に至るまで、環境 への関心は重層的に広がり、環境とのかかわりは多様化してきた。本学における環境研究もまた、同じよ うに地球規模から都市の規模まで、さまざまな分野において展開されてきた。
主要先進国首脳会議の環境大臣会合が神戸において開催される本年は、神戸にとってひとつの画期とな ることにあわせ、本年を「神戸大学環境年2008」と位置づけ、一連の企画をシリーズ的にアピールする こととした。それは、本学が、その研究そして本学と係わる NPO あるいは学生の活動をとおして、地域 社会そして国際社会に貢献していくメッセージでもある。
「神戸大学環境年2008」の取り組みの一覧を示すが、それらの中から2件を紹介したい。 ひとつは、「神戸大学 ESD シンポジウム」の ESD すなわち、「環境教育 ( Environmental
Education ) 」や「持続可能な発展 ( Sustainable Development ) 」という課題を持続可能な発展のた めの教育に係わるものである。発達科学部が文学部・経済学部とともに獲得した現代 GP「アクション・ リサーチ型 ESD の開発と推進」を中心に企画された。
第1回シンポジウムでは、「 ESD 概念の奥ゆきをさぐる」をテーマに、外国から ESD の専門家を呼び 開催された。第2回シンポジウムでは、「持続可能な社会をめざす環境リーダーを日本の若者から」を テーマに、前国連大学のファン・ヒンケル学長を招聘した。また、大震災の経験をもつ神戸で開かれるシ ンポジウムとしての特徴をもたせる「持続可能な社会と防災」というテーマや、環境そのものだけでなく 人権や平和、ジェンダー、文化の多様性、自然資源管理などの観点を加えて、「持続できる社会」とは何 かという問題を問い直すところから、環境教育を構築していこうとしている。
環境に係わる地域社会への貢献のひとつとして、「持続可能な社会のための環境学生会議」の開催につ いて触れたい。この「学生会議」を主催した大学コンソーシアムひょうご神戸は、兵庫県下の大学相互そ して地域の各界が連携していく組織として、平成18年6月に設立された。現在、29大学と8短期大学・ 短期大学部が加盟しており、野上学長が理事長を務めている。コンソーシアムの事業のひとつである社会 連携事業については本学企画部社会連携課がその事務に当たっている。
「学生会議」では、県下や各地の大学から学生が集まって、ポスターや口頭の発表などを通して相互に 意見交換し、それぞれの活動について情報と理解を共有でき、大学を越えた交流の場となった。これを機 に、今後続けていくスタートアップの年と位置づけた。
日程/場所 平成19年11月5日 ( 月 ) 神戸大学経済学部本館232教室
主催/連絡先 神戸大学環境管理センター
078-803-5990、[email protected]
日程/場所 平成19年11月11日 ( 日 )
神戸ハーバーランドスペースシアター
主催/連絡先 神戸大学都市安全研究センター
078-803-6437、[email protected]
日程/場所 平成19年12月4日 ( 火 )
神戸ポートピアホテル
主催/連絡先 神戸大学膜工学研究推進機構/神戸大学工学研究科応用化学専攻
078-803-6199、[email protected]
日程/場所 平成20年1月12日 ( 土 )
神戸大学百年記念館神大会館六甲ホール
主催/連絡先 神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ( 武田義明 )
078-803-7753、[email protected]
日程/場所 平成20年1月16日 ( 水 )
神戸国際会議場
主催/連絡先 神戸大学都市安全研究センター
078-803-6437、[email protected]
トピックス
神戸大学環境年2008
「神戸大学環境年2008」の取り組み一覧表
神戸大学環境管理センター講演会「中国・黄土高原で木を植えつづけて」
オープンセンター
「環境・エネルギー研究に関する国際ワークショップ」
植生学会シンポジウム
「望ましい自然再生を求めて−植生学のノウハウを使いこなす−」
神戸大学大学院人間発達環境学研究科 F256教室
主催/連絡先 神戸大学大学院人間発達環境学研究科「六甲山・大阪湾周辺の地域環境学創成プロジェク
ト」 ( 武田義明 )
078-803-7753、[email protected]
日程/場所 平成20年3月1日 ( 土 ) ∼2日 ( 日 ) こうべ市民福祉交流センター 301教室
主催/連絡先 こうべ ESD ワークショップ実行委員会/神戸大学大学院人間発達環境学研究科ヒューマ
ン・コミュニティ創成研究センター
078-803-7970、[email protected]
日程/場所 平成20年3月7日 ( 金 )
神戸大学農学部C101教室
主催/連絡先 神戸大学防災文化と倫理規範研究会/神戸大学大学院人文学研究科分室・倫理創成プロ
ジェクト室 ( 田村周一 ) 078−803-5564
日程/場所 平成20年3月8日 ( 土 ) ∼9日 ( 日 ) 神戸大学百年記念館神大会館六甲ホール
主催/連絡先 神戸大学/神戸大学大学院人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究セン
ター
078-803-7970、[email protected]
日程/場所 平成20年3月20日 ( 祝 ) ∼21日 ( 金 ) クリスタルホール ( 神戸クリスタルタワー3F )
主催/連絡先 RCE 兵庫−神戸、 ( 財 ) ひょうご環境創造協会、環境省近畿地方事務所/神戸大学大学
院人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究センター 078-803-7970、[email protected]
日程/場所 平成20年5月17日 ( 土 )
神戸大学百年記念館神大会館六甲ホール
主催/連絡先 大学コンソーシアムひょうご神戸/
神戸大学企画部社会連携課広報係
078-803-5022、[email protected]
「 ESD ワークショップ in KOBE」
― ESD 分野連携シナリオづくりワークショップ
シンポジウム「持続可能な社会と防災文化の普及」
「第1回神戸大学 ESD シンポジウム」
第1回 ESD フォーラム「マナビからつむぐ持続可能な社会」
日程/場所 平成20年5月24日 ( 土 )
公開講座:先端医療振興財団 臨床研究情報センター第1研修室、自然観察会:神戸空港島 西緑地内人工ラグーン
主催/連絡先 神戸大学、神戸市、環境省後援/
神戸市環境局環境審査室 078-322-5316
日程/場所 平成20年5月31日 ( 土 )
神戸大学百年記念館神大会館六甲ホール
主催/連絡先 神戸大学/神戸大学大学院人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究セン
ター
078-803-7970、[email protected]
日程/場所 平成20年6月2日 ( 月 ) 神戸大学百年記念館神大会館六甲ホール
主催/連絡先 神戸大学大学院工学研究科、自然科学系先端融合研究環/
神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 ( 堀江孝史 )、078-803-6176、[email protected]
第2回神戸大学 ESD シンポジウム「持続可能な社会をめざす環境リーダーを日本の若
者から --神戸から世界へ発信するメッセージ」
トピックス
「環境修復技術とその体系化に関するワークショップ」
開催報告
工学研究科・応用化学専攻 教授 松山 秀人
平成20年6月2日、神戸大学百年記念館において「環境修復技術とその体系化に関するワークショッ プ」が開催されました。
このワークショップは工学研究科先端膜工学センターおよび自然科学系先端融合研究環環境・ エネル ギー重点チームから提案され、採択された平成20年度文部科学省特別教育研究経費 ( 研究推進 ) の事業 である「プロセス強化の概念を導入した環境修復方法論の体系化」の活動の一環として開催されたもので す。また「神戸大学環境年2008」活動の一環でもあります。
本ワークショップでは、大気環境・水環境・土壌環境の修復技術、また飛躍的な効率の向上を目指すプ ロセス強化技術に関して、各界に精通する学内外の先生方をお招きし、その体系化、すなわち最適な循環 プロセスの創出についての講演を行いました。具体的な講演内容と講演者は以下の通りです。
1. 神戸大学で取り組む環境修復技術プロジェクトの紹介 ( 神戸大学・松山秀人氏 ) 2. CO2 排出量削減のためのエコ・テクノロジー ( 神戸大学・西山覚氏 )
3. 自己固定化微生物を利用した汚染土壌のバイオレメディエーション ( 神戸女学院大学・塩見尚史氏 ) 4. バイオマスからの燃料・化学品製造 ( 神戸大学・福田秀樹氏 )
5. マイクロバブルによる湖沼環境修復 ( 滋賀県立大学・南川久人氏 )
6. 省エネルギー技術戦略におけるコプロダクションの役割 ( 産業総合技術研究所・中岩勝氏 )
「環境修復」というキーワードのもと、大気環境・水環境・土壌環境をいかに統合化して環 境負荷を低減し、 持続的社会の構築を目指すかに焦点をあて、さまざまな取り組みがわかりや すく紹介されました。
学生の参加を含めて162名が参加し、熱心な議論が行われました。
調整水田 水田植物
トピックス
兵庫県における調整水田植生の地域性
発達科学部 人間環境科学科 自然環境論コース 4年生 江間 薫
5月17日に行われた「持続可能な社会のための環境学生会議第1回」に参加し、卒業研究である「兵庫 県における調整水田植生の地域性」について発表しました。
近年、水田は除草剤散布や圃場整備のために農業形態が大きく変化したことで、生物多様性の低下を招 いていますが、一方で休耕田や放棄水田が多くの水生生物の生息地を供給しているといわれています。特 に、通常の稲作と同様に水を張る調整水田と呼ばれる休耕田は、湿性状態が保たれるため水生植物の避難 場所となる可能性があります。しかし、水田植生については、水田雑草の防除などの研究はありますが、 調整水田を対象とした植生学的な研究はほとんどないのが現状です。また、兵庫県北部は降雨・降雪量が 多く、単作が実施されているのに対して、南部は降水量が少なく、三毛作も盛んであるなど気候的環境や 耕作スタイルに特徴があるため、兵庫県の調整水田植生には地域的な差があると考えられます。
そこで、卒業研究では、兵庫県北摂・但馬・西播磨・淡路島地域の調整水田における水田植生の現状を 明らかにし、4地域を比較して兵庫県における調整水田植生の地域性をもたらす要因を検討することを目 的としました。
昨年までに調査を行った但馬・北摂・淡路島地域の調整水田植生の群落を比較した結果、北中部の但 馬・北摂地域は、ガマ−ウスゲチョウジタデ群落、アシカキ群落、オモダカ群落などが特徴的に見られ、 多くの群落には絶滅危惧種が含まれていました。対して、南部の淡路島地域は、アゼナ群落、ホソバヒメ ミソハギ群落などが見られましたが、群落の多くは外来種で構成され、出現種が非常に少なく、絶滅危惧 種の出現は0種と、種多様性が非常に低い単純な群落であることがわかりました。兵庫県の調整水田植生 は、地域の気候や耕作スタイルに影響されると思われます。
図1 大阪駅北地区の気候分析地図 図2 大阪駅北地区の計画指針地図
トピックス
ヒートアイランド対策とクリマアトラス
−都市環境・設備計画研究室の取り組み
工学研究科 建築学専攻 森山研究室 修士1年生 岩崎元英 村井佐江
5月17日に行われた「持続可能な社会のための環境学生会議第1回」に参加し「ヒートアイランド対策 とクリマアトラス−都市環境・整備計画研究室の取り組み」について発表しました。
私たちの研究室は、工学研究科建築学専攻の中で都市環境計画、設備システムという分野を専門として います。大変幅広いのですが、短く言えば、みどりとエネルギーの視点から建物や街をエコロジカルに計 画する研究です。現在、研究室で取り組んでいる研究には、クリマアトラス、グラスパーキング、潜熱蓄 熱型空調機などがあります。グラスパーキングの研究は、兵庫県が行っている都市緑化やヒートアイラン ド対策事業の一つで、県庁南の駐車場などで実験を行っています。また、潜熱蓄熱型空調機の研究は、深 夜電力を利用して蓄熱する空調システムで、二酸化炭素削減、省エネ等が期待されています。以下ではク リマアトラスの研究について紹介します。
現在の都市が抱える重要な問題のひとつに、都市のヒートアイランド現象が挙げられます。 ヒートアイランド現象は、都市部の気温がその周辺の自然地域に比べて高温を示す現象です。 最も顕著に確認される時刻は日没から夜中にかけてといわれており、夜間に都心部が高温に保 たれないようにすることが、ヒートアイランド対策として重要となります。具体的な対策とし ては、空調、照明や自動車による人工排熱を削減することと、昼間の日射熱を夜間まで溜め込 まないこと ( 蓄熱の抑制 ) が挙げられます。これらとともに昼間のヒートアイランド対策とし て、涼しい風が街を通り抜けるような風の道をつくることが重要です。
省エネルギー・温暖化防止
1. 目標
神戸大学は、延床面積当たりの CO2 排出量を年1%削減することを目標としています。
2. 電気使用量
前年度比1.5%増加平成19年度の電気使用量は、前年度より全体で943千kWh ( 1.5% ) 増加しました。
月14日 ( 火 ) から8月16日 ( 木 ) の一斉休業中の六甲台地区の電気縮減効果は約116千kWhで3日間の 平均では38%の縮減となっています。
一斉休業中でもサーバー室や待機電力などのベース電力は、相当あります。これらを削減できれば縮減 効果は高く、また休業を徹底すればさらなる縮減が期待できます。
3. ガス使用量
前年度比3.5%増加平成19年度のガス使用量は、前年度より全体で140千m³ ( 3.5% ) 増加しました。
主な要因は、楠地区の病床稼働率及び外来患者数の増加による使用量の増加と冬季の外気温の影響によ るものです。
平成19年度の重油使用量は、前年度より全体で92kl ( 17.4% ) 減少しました。
注 )電気の CO2 排出係数等に誤りがあり17・18年度の排出量を 修正しました。
平成19年度の CO2 排出量は、前年度より全体で147t-CO2 ( 0.4% ) 増加しました。
延床面積当たりでは、面積の変動がないため増率は0.4%で同じとなり、排出量は0.32t-CO2/千m²増 加しました。
増加の要因は、電気使用量及びガス使用量の増加と電気事業者の CO2 排出係数の変動によるもので す。
キャンパス キャンパス キャンパス キャンパス 地区 地区 地区 合計
教職員(人) 282 904 110 132 879 130 82 2,519
学部学生(人) 3,760 4,500 656 1,249 602 898 698 12,363
大学院生(人) 1,295 2,215 213 291 723 83 0 4,820
合 計 5,337 7,619 979 1,672 2,204 1,111 780 19,702
地区別面積表 ( 平成19年度 )
六甲台1
キャンパス キャンパス六甲台2 キャンパス鶴甲1 キャンパス鶴甲2 地区楠 深江地区 名谷地区 合計
建物延床面積(m²) 56,091 136,127 41,227 24,189 125,969 41,604 17,547 442,754
省資源・リサイクル
1. 市水・雑用水
市水
前年度比4.2%減少平成19年度の市水の使用量は、前年度より全体で18,357 m³ ( 4.2% ) 減少しました。
六甲台地区では、六甲山の河川水をトイレの洗浄水や実験用水などの雑用水に利用して省資源化を図っ ています。
平成19年度の雑用水の使用量は、11,161 m³ ( 9.5% ) 減少しました。
平成19年度の一般廃棄物等の排出量について、神戸市の廃棄物の回収方法が変更になったため、単純 には比較ができませんが、不燃ごみが大幅に減少しました。
可燃ごみ、生ごみ、段ボール、雑誌、OA用紙は、排出量が増加の傾向が見られますが、生ごみ、段 ボール、雑誌、OA用紙の分別回収率は向上しました。
事務用紙の使用量は、前年度より9.11t ( 3.9% ) 減少しました。
pH 計 pH モニタリングシステム
自動採水器 中和・曝気槽
有害物質の管理及び対応
実験排水・土壌検査について
神戸大学が環境に与える負荷の一つに実験室から排出される実験廃液があります。
公共下水道に流すことのできる水質の基準は「排除基準」と呼ばれ、下水道法及び神戸市下水道条例に より定められています。
本学では定められた排除基準を遵守するため、排水経路中に pH 計を設置し環境管理センターのパソコ ンとを学内 LAN で結び pH 値を常時監視できる pH モニタリングシステムを導入し拡充整備を進めると ともに排水経路中に自動採水器を設置して採水し含有化学物質量の検査を毎月実施しています。
最終的には有害物質を取り除く除外施設を経て、公共の下水道に排出しています。
また、土壌汚染対策として学内の土壌中に含まれる有害物質の検査も自主的に実施しています。
排水の水質監視のための施設及び有害物質分析装置
○ pH 計 14ヶ所
有害物質の管理及び対応
PRTR への対応
PRTR とは Pollutant Release and Transfer Register ( 化学物質排出移動量届出制度 ) の略で、有 害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境に排出されたか、 あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握・集計し、公表す るために制度化されました。
PRTR では報告対象となる化学物質の年間使用量が1トンを超えると行政機関への報告が義務となりま すが、平成19年度においても昨年同様1トンを超える使用量の指定化学物質はありませんでした。
電子マニフェストの導入
環境管理センターでは全学の実験用薬品等の廃液を一括して回収し、産業廃棄物として処分を外注して いますが、その際に従来は紙のマニフェストを発行しそれによって処理の過程を管理していました。しか し廃液排出時の紙のマニフェストの発行及びこの紙のマニフェストでの管理が煩雑であり、また5年間の 保存が必要なため保管スペースも取られることから、廃液排出時の手続きを簡素化するとともに処理の過 程の管理を容易にし、マニフェストの保管の必要のない電子マニフェストを導入し業務の効率化を図りま した。
廃液排出時の手続きが簡素化され、産業廃棄物としての廃液の処理の過程の進行状況がパソコンの画面 で容易にいつでも確認できるので、業務の効率化が進みました。
感染性廃棄物専用容器 ( ペールボックス20L )
感染性廃棄物専用容器 ( 段ボール容器45L )
感染性廃棄物専用保管庫
有害物質の管理及び対応
医療廃棄物
楠地区の医学部と附属病院では、使用済みの注射針、血液や体液の付着したガーゼ等感染症を発生させ る恐れのある特殊なゴミが発生します。
これらのゴミは、「廃棄物処理及び清掃に関する法律」により特別管理産業廃棄物の感染性産業廃棄物 という項目に分類され、その管理及び処理方法については厳重に行うことが規定されています。
平成19年度に附属病院等で発生した医療廃棄物は、次のとおり処理しました。
医療従事者が所定の容器に収納
専用の保管庫に集積
収集運搬 ( 株 ) 衛生センター
中間処理 ( 焼却 ) ( 株 ) 衛生センター
最終処分 ( 埋め立て ) ( 財 ) 岡山県環境保全事業団
19年度廃棄量
容器種別 個数 容量 ( L ) 重量 ( kg ) 備考
ペールボックス ( 20L ) 5,114 102,280 30,684
段ボール ( 45L ) 43,575 1,960,875 435,750
有害物質の管理及び対応
PCB 廃棄物への対応
神戸大学では、各部局の電気室等に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法」に 基づき下表のとおり適正に保管しています。また、保管状況の点検を行い、届出書を神戸市に毎年提出し ています。
PCB 廃棄物の処分は、日本環境安全事業 ( 株 ) 大阪事業所に処理を委託する計画であり、PCB 廃棄物 処理の早期登録を平成18年3月27日に完了し、平成21年の予定です。
PCB 廃棄物数量一覧 ( 平成20年3月末時点 )
部局名 保管場所
PCB 廃棄物の種類別数量 ( 台・個 )
変圧 器
油入 り 遮断
器
進相用 コンデン
サ
放電用 リアクト
ル
照明用 安定器
ドラム 缶 保管油
ウエ
ス 計
本部
本部管理棟
1階電気室 5 17 22
特高受電所 8 4 2 14
PCB 廃棄物
保管倉庫 1 2 1 10,589 1 1 10,595
工学部 機械工学科棟
1階電気室 5 5
医学部 5 5
海事科学
部 877 1 878
計 18 1 28 3 11,466 2 1 11,519
アスベストへの対応
本学における建築物のアスベスト ( アモサイト、クリソタイル ) の使用個所については、平成18年度 中に全て除去、囲込みの対策を終えました。
除去した箇所については、飛散の恐れの有る部屋は、有りません。 囲込みを行った箇所については年1回、濃度測定を実施し基準値以下です。
( 注 )
グリーン購入・調達の状況
平成13年4月から「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律 ( グリーン購入法 )」が施行さ れました。この法律は、国等による環境物品等の調達の推進、情報の提供その他環境物品等への需要転換 を促進するために必要な事項を定め、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図り、現在 及び将来の国民の健康と文化的な生活の確保に寄与することを目的に成立し、国等の機関が率先して環境 に優しい物品などを積極的に購入していくことを定めたものです。
この法律に基づき、調達方針の作成、公表については、従前までは文部科学省が作成と実績の集計を 行っていましたが、平成16年4月1日から神戸大学は、独自で調達方針、調達実績の概要について作成 し、ホームページにおいて公表しています。
平成19年度グリーン購入・調達の実績状況 ( 平成19年4月∼平成19年12月 )
分野 品目 総調達量 特定調達物品調達量 特定調達品目調達率
紙類
コピー用紙等 136,732kg 136,732kg 100%
ティッシュペーパー 441kg 441kg 100%
その他 53,259kg 52,687kg 99%
文具類
ボールペン 8,326本 8,326本 100%
封筒( 紙製 ) 543,528枚 543,528枚 100%
その他 77,945個 77,927個 99%
オフィス家具類 いす、机等 5,231脚 5,231脚 100%
OA機器 コピー機、プリンタ等 7,726台 7,726台 100%
照明 蛍光管 9,643本 9,643本 100%
インテリア類 カーテン 327枚 327枚 100%
作業手袋 2,970組 2,970組 100%
他繊維製品 ブルーシート 65枚 65枚 100%
役務 印刷 541件 541件 100%
平均 99.8%
前年度の特定調達品目調達率は、99.8%でした。
主な要因は、紙類 ( その他の印刷用紙 ) 等での機能、性能上の問題で使用できなかったことです。
排水溝清掃 ゴミ拾い
その他
キャンパスクリーン作戦
その他
神戸大学生協の環境活動の概要
神戸大学生活協同組合
神戸大学生協は、神戸大学内で食堂部・書籍部・購買部の各事業活動を行っています。これらの事業活 動に伴う環境負荷を縮減するため、幾つかの環境対策活動を行っています。また、今後に向けての試行と 提案プランの検討を続けています。
1. ゴミの分別回収
現在、学内77カ所に分別ゴミ箱の3点セット ( 空き缶・ペットボトル・その他燃えるゴミ ) を設置 して各キャンパスでの資源ゴミの回収を定期的に行い、リサイクル業者に引き渡しています。缶・ ペットボトルの回収量は下表の通りです。 店舗から出る紙・段ボールについても別途回収し、資源ゴ ミとして再生業者に引き渡しています。
平成17年度 平成18年度 平成19年度
空き缶回収量 19,800kg 15,900kg 8,260kg
回収本数 ( 推定 ) 792,000本 636,000本 330,400本
ペットボトル回収量 23,990kg 29,720kg 19,200kg
回収本数 ( 推定 ) 749,687本 928,750本 600,000本
合計回収量 43,790kg 45,620kg 27,460kg
合計回収本数 ( 推定 ) 1,541,687本 1,564,750本 930,400本
( 平成19年度より学舎内より排出される分は、神戸大学生協の回収となっていないため全体量は、推 定ですがほぼ倍量程度と思われます。 )
2. ほっかる弁当の容器回収
ほっかる弁当とは、温めて販売する弁当のことで、その容器は保温力を保つための内張フイルムを はがせば、そのまま紙資源ゴミとしてリサイクルできる弁当です。
神戸大学生協では、通常期全学で、この弁当を1日約1,000∼1,200個販売しています。
そのため容器回収ボックスを別途特別に誂え、キャンパス内8カ所に設置してその回収率を上げるこ とを目指しています。平成19年度は、18年度の30%から40%に引き上げましたが、目標の70%に はまだ幾つかの対策が必要です。
3. レジ袋削減の活動
カーマンダムの商品 ) の再販売 ( 半額 ) に協力しています。
2年目の平成19年度も購買部六甲台店と国際文化学部店で実施致しました。
5. 食堂よりの排出ゴミ削減
食堂の食材は、中間加工食材を使用しているため、調理に伴う廃棄物は殆ど生じません。 また、食事の提供方法は、定食方式と異なり、主にカフェテリア方式で、利用者が必要とする分だ け購入するため、食べ残し残滓は非常に少なくなっています。
ライスや丼などは、サイズをこまめに分けて対応 ( 大、中、小、プチサイズなど ) することで、更 に残滓が少なくなっています。
その他、厨房で使用するドレッシングなど液体でない調味料容器については、洗浄の上、資源ごみ として回収ルートにのせています。
6. 排水対策---食堂のグリーストラップの改善など
食堂厨房からの排水は油脂分を含んでいるため、水質に与える影響には大きなものがあります。神 戸大学生協でも、かねてよりこのグリーストラップの性能について、より高いものを検討してきまし たが、現在では微生物と酵素を利用したものを採用し、BOD などの環境基準値をクリアーしていま す。 ( 六甲台、工学、ランスボックス )
食堂の洗剤は、洗浄機以外は石鹸洗剤を、また洗浄機は洗浄機用無リン洗剤を使用し、環境への負 荷に配慮しています。
揚げ物用の廃油は、石鹸などへの再生資源として回収業者に引き渡しています。
7. 食堂厨房での節電、節水
厨房では、使わない照明はこまめに消す、水道の出しっぱなしはしない、など日常作業の中で注意 しています。また、水道の出し過ぎを制御する節水システムを導入し、節水に努めています。
8. カップ麺の残滓処理
掲載ページの一部 ( 省エネルギー推進 )
掲載ページの一部 ( ごみの分別回収について )
環境管理センターの活動
環境管理ガイドブック
平成19年度第1回講演会 高見邦雄先生 「中国・黄土高原で木を植えつづけて」 の講演写真とポスター
平成19年度第2回講演会 小玉祐一郎先生
「持続可能な社会をめざして」の講演写真とポスター
環境管理センターの活動
環境に関する講演会
環境管理センターでは、平成16年度の発足以来毎年、学内の学生、教職員のみならず学外の一般の方 も対象とした環境に関する講演会を学外から講師を招いて実施し、環境問題に関する啓発活動を行ってい ます。
平成19年度においては、一般の方にも多数参加していただくため、区役所等に案内を置かせてもらっ た他に神戸大学の近辺の方には新聞の差し込み広告でお知らせするなど広報に努めました。
平成19年度第1回目として
平成19年11月5日 ( 月 ) に本学経済学部にて緑の地球ネットワーク事務局長の高見邦雄さんをお招きし 「中国・黄土高原で木を植えつづけて」をテーマに中国での緑化活動についてのお話をしていただき42 名の方の参加がありました。
第2回目として
平成19年12月18日 ( 火 ) に本学瀧川記念学術交流会館にて神戸芸術工科大学教授の小玉祐一郎先生を お招きし「持続可能な社会をめざして∼建築と環境とエネルギー∼」をテーマに建築の分野での環境に対 する取組についてのお話をしていただき32名の方の参加がありました。
氏 名
向山 敦夫 ( むこやま あつお )
現 職
大阪市立大学大学院経営学研究科教授
プロフィール
大阪市立大学大学院経営学研究科修了。博士 ( 経営学 ) 。愛媛大学、岡山大学助教授、大阪市立大学助教授等を経 て現職。
日本社会関連会計学会理事、大阪府水道部経営・事業等 評価委員などを務める。主著に、『社会環境会計論 −社 会と地球環境への会計アプローチ−』 ( 白桃書房、2003 年 ) などがある。
2004年5月に環境配慮促進法が成立して、今年が特定事業者に該当する国立大学法人神戸大学として の第3回目の環境報告書の発行になります。その内容は、『環境報告書の記載事項等の手引き ( 第2 版 ) 』における7項目を参照しながら、環境憲章、環境保全のための組織体制、環境に関する教育・研 究と地域連携、環境パフォーマンス、環境活動という構成からなっています。とくに大学という教育・研 究機関としての特質から、環境に関する教育・研究と地域連携に多くのページが割かれており、環境パ フォーマンスとともに充実した内容になっています。この環境報告書は、環境保全に関する教育・研究な らびに環境活動に対する神戸大学としての姿勢を明らかにするものとして評価することができます。
過去2年に引き続いて、環境という複合的な学問領域を反映して、理系・文系学部におけるそれぞれの 環境に関する教育内容、研究内容、地域貢献活動が紹介されています。また、本年を「神戸大学環境年 2008」と位置づけられ、企画された一連の取り組みの一覧がトピックスとして掲載され、その中の一部 が紹介されています。これは社会に対して大学としての熱いメッセージを伝えるものです。息の長い活動 であることを期待しています。
環境パフォーマンスでは、電気使用量、ガス使用量、重油使用量、温室効果ガス排出量が記載されてい ますが、重油使用量をのぞいて増加しており、残念ながら前年比1%削減という目標は達成されていませ ん ( 京都議定書におけるわが国の温室効果ガスの削減義務は1990年度比で6%です ) 。原因は説明され ていますが、セグメントでみるとどうしても医学部・附属病院、理系学部が集約している地区の使用・排 出割合が多くなっています。教育・研究上やむをえない部分はありますが、それをどのように環境パ フォーマンスの改善に結びつけていくかが課題だと思います。